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王妃マルゴ 堂々完結! ココハナ(2020年2月号) ネタバレ感想

2020/01/09
漫画レビュー



ココハナ2020年2月号で、萩尾望都の「王妃マルゴ」が完結してしまった。

「ココハナ 2020年2月号 電子版 ココハナ電子版 Kindle版」



ついにか…。
さびしい。

そもそも、私を書店に取り戻したのはこの萩尾マルゴ。
こんなに通わなくなっていた私が!書店に何度も足を運び…
雑誌を移動したと知れば探してさまよい…!
本屋さんに通ったんだよ!!
あんなに足が遠のいていたのに!!

マルゴーーー!!!


王妃マルゴ
作者:萩尾望都 / 出版社:集英社 / レーベル:YOU

16世紀フランス。ステキな王子様との結婚を夢見る美しい王女・マルゴ。宗教対立が激化する中、マルゴの運命は翻弄され…!?恋愛、結婚の秘密に分け入る萩尾望都初の歴史劇、ここに開幕!!



1巻~6巻あたりの盛り上がりは本当にすばらしかった。
3巻~4巻ぐらいまで我慢してコミックスが出るのを待っていたのだが、ついに我慢しきれなくて雑誌を買うために書店に足を運んだ!

(タイムリーに)メアリー・スチュアートの表現も良かった。
落ちる首を横に抱えて
「ありがとうマルゴちゃん」

強烈だった。

マルゴの感じやすさと魔性と、ある意味で巫女的な側面が、物語を進めるにつれて消えていった。

ラストは時の流れを一気に加速させて、そんな少女時代の神秘的な面も影をひそめ、生活に汲々としながら現実を生きる彼女が描かれる。

夫としては不誠実だったアンリの思いやりがしみる。
この権謀術数と宗教の軋轢にかこまれ、いつ殺されるかわからない生活を送っていた二人。
最後にこのマルゴの青春の愛のすべてが凝縮した結晶を守り、手渡したのがアンリだったという…。
ラストにふさわしい感動だった。

だが少しだけ尻すぼみに終わったと思うさびしさもある。
すごく史実に忠実になっていってた。
もう少し、ただの浮気男じゃなくて、色んなものに対するアンリの気持ちを掘り下げて欲しかった。
国王としての重みをどういう風に受け止めていたのか、捨てざるを得ない部分、あきらめたものもたくさんあったのではないか。
最後の暗殺を、浮気者の天罰みたいにするのがちょっと…。

バルテルミのあとにほとんど囚人のような生活を余儀なくされ、マルゴと腹の探りあいをしながらも次第に夫婦になっていく、そんな頃の繊細さ、慎重さが唐突に消えてしまっていた。
マルゴと再会してからあまりにも別人化が激しかった。

マルゴのことももう少し、老いてなおの魔性を「恋人たちが決闘騒ぎを起こした」の部分としてくわしく描いて欲しかった。
くわしく!
そこんとこ、 kwsk!!!!!

こうやってあれこれぶつぶつ文句言ってるのは、つまり
終わったのが寂しい、もっとマルゴを見ていたかったのに!
という気持ちに尽きる。

後半になって史実はほっといて、もっと大胆に冒険的な物語を展開して欲しかったような気もする。

萩尾望都先生が影響を受けたと言っているのは、イザベル・アジャーニの映画の「王妃マルゴ」

「王妃マルゴ(映画)」[DVD]
イザベル・アジャーニ , ジャン=ユーグ・アングラード



このマルゴは、アレクサンドル・デュマの「王妃マルゴ」がもとになっている。
デュマのマルゴは格調高く上品でギーズ公はとても冷たく貴族的だった。
アンリ(ナヴァル)はマルゴとは最初から最後まで友人で共闘関係な感じ。
ラ・モールは若い情熱のすべてをかけてマルゴに恋をしており、いかにもフランス的な物語だった。
(フランスの物語では、「若い純粋な青年は恋は本気で全身全霊を賭ける」みたいな基本形がある)

男女間の友情とは…?
離婚してもずっと関係が良好だったと言われているナヴァルとマルゴ。
アンリとの「夫ではなくなっても友情がある関係」をもっとクローズアップして欲しかったな。
恋多き女で浮気者はマルゴの方もなのだから…。

しかしこうして映画なり本なりを目にするごとに、ストーリーテリングの力としてのデュマはすごいなと再認識する。




記事で言及した作品まとめ


萩尾望都「王妃マルゴ」漫画
eBookのマルゴ
Amazon文庫のマルゴ。なか見が可能。
kindle

映画「王妃マルゴ」イザベルアジャーニ主演
DVD
Blu-ray

アレクサンドル・デュマの「王妃マルゴ」
(日本語) 単行本 - 1994/12/1 アレクサンドル デュマ (著), Alexandre Dumas (原著), 鹿島 茂 (翻訳)


プロジェクト・グーテンベルクのアレクサンドル・デュマのページを置いときます。フランス語や英語翻訳されたデュマの作品が無料で読めます。
http://www.gutenberg.org/ebooks/author/492




プロジェクト・グーテンベルクについて
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プロジェクト・グーテンベルク(Project Gutenberg、略称PG)は、著者の死後一定期間が経過し、(アメリカ著作権法下で)著作権の切れた名作などの全文を電子化して、インターネット上で公開するという計画。1971年創始であり、最も歴史ある電子図書館。



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Ama Mew(天海悠)
Admin: Ama Mew(天海悠)
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