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【映画】サムソンとデリラ-2 聖書ターン終わり、映画の感想へ

2021/11/16
映画レビュー




【映画】サムソンとデリラ-2 聖書ターン終わり、映画の感想へ


 
神から授かった怪力の持ち主であるサムソンは、ペリシテ人の娘セマダールに求婚する。しかし、サムソンに想いを寄せていたセマダールの姉デリラが二人の仲を邪魔し、結婚式で混乱を引き起こし、セマダールは命を落してしまう。さらにデリラは、サムソンへの陵辱を続け...


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*ここからネタバレを含みます。




こんなに長くなってしまったのは、やっぱり聖書本体が面白かったから。

旧約聖書の神は怒りの神、復讐の神ってよく言われるけどほんとそんな感じ。
サムソンが烈火のごとく怒った時、それが良いか悪いかは関係なく「神が下った」って書かれてる。
これは修辞っぽい。

ユダヤ人たちもペリシテ人たちの言い分を聞いて、サムソンのところに行ってペリシテ人に引き渡す。
(まあ当然だよねとしか思えない)

そこで例のごとく「主の霊が激しく彼に下り」、ろばのあご骨を発見して、それで1000人を撃ち殺した。
その時に 泉が湧いてきて水を飲んだのが、はいっ、この泉でーす☆

観光客「…………」



この調子でこのサムソン、20年間もイスラエルを裁いた(治めた)、つまり士師記の士師としてリーダーになってたわけだけど、もう力が強いから誰も文句言えないんだろうけど、武闘派なヤクザの親分みたいな感じだな。

16章。
ここがデリラの章だし、サムソンの最後の章なんだけど、いきなりこんな感じで始まる。

「ガザに行き、一人の遊女がいるのを見て彼女のもとに入った。」(16:1)

分かりやすいというか、本能に忠実というか、基本女好きなんだろうな。
怪力でマッチョで力は強いけど、美人に弱い。快楽に弱い。
これが男性から支持を得るのかしら。気持ちが分かるのかな。



アキレスのかかとじゃないけど、「誰もかなわないほど強いけど弱点が美女」っていうそこが面白くて、こんなにサムソンの話は短いのに強烈なインパクトを持って語り伝えられているのだろうか。

ガザの人びとはサムソンを殺そうとするけどもちろんうまくいかない(はしょった)

「その後《のち》、彼はソレクの谷にいるデリラという女を愛するようになった」(16:4)

やっとデリラがご登場。
これ結婚したとかは書いてないから。なんならペリシテ人とも書いてない。
ただ多分一緒に住んでたんだろうなっていう感じ。
結婚してる訳じゃなさそうだが、遊女だったのかどうかもわからない。
結婚した時には「妻」ってちゃんと書いてあるから、これはなし崩しの内縁の妻というか、同棲しているというか愛人というか、そんな感じと推測するほかはない。



ペリシテ人の領主たちがデリラに頼みに来る。
今度は脅しじゃなくてお金だった。1人につき、銀千百枚。
何人いたのかわからないけど、多分一生遊んで暮らせるお金ではある。


金に目がくらんだのか、そもそもサムソンのことたいして好きじゃなかったのか、多分どちらもだとは思われるが、デリラの心情や事情も一切、書いてない。

ただデリラが4回も彼を裏切って、ついにサムソンは秘密を彼女に話してしまったというその事実だけが書いてある。

1,乾いてない新しい弓づる7本で縛る
2.まだ一度も使ったことのない新しい縄
3,自分の(サムソンの)髪の毛7房を、機(はた)の縦糸と共に織り込めばいい

「3回」という回数は、昔話にはよくあるテンプレ回だが、ここはだまされたデリラとペリシテ人達が、サムソンの怪力でいかにいとも簡単にやられたかというのを繰り返して楽しむというのが主の意図であるように思う。
実際なんか読んでてもこばえを払うぐらいの感覚で、あっさり縄なんかぶち切ってしまうサムソンは面白い。



4回目、ついにサムソンは「カミソリを当てたことがないこの頭の髪の毛を剃られてしまったら、普通の人間並みになってしまう」という秘密をデリラに打ち明ける。

なんで3回も裏切られてるのに、見捨てないんだろう。
明らかにスパイはデリラなのに。
迂闊すぎてどうしようもない。

デリラも「秘密を正直に話さないのは私を愛してないから」という論法で迫ってくるんだけど、これまで3回も裏切ってる女がサムソンを愛してはいないというのは、男の方ももわかってるんじゃないだろうか。





(ここのところ映画はこの矛盾をきちんとシナリオで回収してなかなか良く出来てた)

4回もペリシテ人に襲われる時に、一応デリラは「サムソン、ペリシテ人があなたに」と危険を知らせるようなポーズを取ってる。
安全策をとっているのか、でもさすがに怪しいって気付けよ!

サムソンは捕まって目をえぐられて足かせをはめられて牢屋で粉を引かせられる。
だが、次第に髪の毛が伸び始めていたのに誰も気づかなかった。

ペリシテ人達が彼を笑いものにしようと思って引き出した時に、建物を支えている柱の所に行って、真ん中の2本の柱を両手で押して、倒壊させる。

「彼がその死をもって殺した者は、生きている間に殺した者より多かった。」(16:30)

デリラがそこにいたかどうかはわからないし書かれていない。

(安易に聖書を検索すると、もちろんちゃんとした研究サイトもいっぱいあるけど、変な宗教団体もたくさん引っかかってくるので、注意してください)




それで、やっとこの映画の話になるのだが、結論から言うと、「サムソンとデリラはラブロマンスでした♡」という話になってる。

すれ違いカップルの話だった。

映画はこの、きれぎれの聖書の話をうまくつなぎ合わせて、「最初に結婚した女性にいた妹がデリラだった」ということにしている。
そしてデリラはサムソンが好きだったんだけど、振り向いてくれないから嫉妬に燃えて、ああいう話になってる。

(映画としてはうまいのだが、私はデリラは単体でサムソンを誘惑して欲しかったななあ)



サムソンを演じるのは、ヴィクター・マチュア。
マッチョなイケメン。タイミング最悪な、まったく空気が読めない男。

サムソンのそばには、一族(ダン族)には、予定調和で結婚を切望してそうな、清純で地味で良妻賢母型のミリアムがいる。
でも、サムソンは、一族が止めるのも聞かずにデリラの姉さんセマダルのもとに通う。
彼女が忘れられない。

これが聖書で言うところの最初に好きになった「ペリシテ人の女」だ。

セマダルに会いに行くのだが、キラキラした輝かしい感じ。
お金もありそう。富裕層のお嬢様?宝石で飾りつつ、武器だって自分で扱うような、女だてらの身で戦いにだって参加するぞというような、気の強い女として描かれている。

キラキラしてて強気で、しかもお嬢様と言う感じ。
そういうところが気に入ったんだろうね。
それはわかる。







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神から授かった怪力の持ち主であるサムソンは、ペリシテ人の娘セマダールに求婚する。しかし、サムソンに想いを寄せていたセマダールの姉デリラが二人の仲を邪魔し、結婚式で混乱を引き起こし、セマダールは命を落してしまう。さらにデリラは、サムソンへの陵辱を続け...


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Ama Mew(天海悠)
Admin: Ama Mew(天海悠)
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