料亭予定地

【映画】サムソンとデリラ-1 まずは聖書を紐解いてみた。

2021/11/16
映画レビュー




【映画】サムソンとデリラ-1


すっごい古い映画を何気なく見ていたのだが、 これがなかなか面白くてハマってしまった。

「サムソンとデリラ」
デリラ役の女優さん、ヘディ・ラマーがめちゃくちゃ美しい。
1949年(昭和24年)

当時、この細い眉が流行っていたんじゃなかったかな。
マレーネ・ディートリッヒとか、グレタ・ガルボとか。
母が、「おばあちゃんの世代の美人女優さんよ」と言いながら、一緒に映画を見ていた記憶がある。

みたいものはたくさんある中で、なんとなくこの映画を選んだのは、母が亡くなったので、 なんだか懐かしい気持ちになったのだろうか。


 
神から授かった怪力の持ち主であるサムソンは、ペリシテ人の娘セマダールに求婚する。しかし、サムソンに想いを寄せていたセマダールの姉デリラが二人の仲を邪魔し、結婚式で混乱を引き起こし、セマダールは命を落してしまう。さらにデリラは、サムソンへの陵辱を続け...


 ≫ 映画の感想記事


*ここからネタバレを含みます。




字幕版で、デリラの発音を「ディライラ」と言っていて、はっとした。

ディライトと似ていると思うのは気のせいだろうか。
「歓喜」?
たぶん、性的な歓び。

吸い付いてくるようにひとつになる感覚を、いちど思い描いてしまうと、サムソンも耐えられないんだろうな。



全体的な出来映えは、いかにも昔のつたなさ、セットは豪華だが全体的に芝居がかっている。

誰もみな、感情に正直で単純で小細工すら見え透いているのに、その純朴さ、単純さがまっすぐに沁みてくる。

最初から全然、サムソンがデリラを振り向きもしないので、ちょっとちょっと、話がちがうやん、と思ってしまった。(あとで生きてくるシナリオだった)



おさらいのために、聖書のサムソンとデリラを紐解いてみる。(士師記13-16)

13章生い立ち、14章でティムナのペリシテ人の娘を嫁にしようとする。
(この娘の名前は最後までなし)

結婚を頼みに行く途中の葡萄畑でライオンが襲ってきたので素手で「子山羊を裂くように獅子を裂いた」

こええ。

この時、親も一緒に行ってるのだがこの出来事、親は知らないし別にサムソンも言わなかった。

「彼は、女のところに下っていって言葉をかけた。サムソンは彼女が好きであった。」(士師記14:7)

サムソンの気持ちは書いてあるけど彼女の気持ちがどうだったのかは一切書いてない。



婚約から結婚までの間に、ライオンの死骸を見に行ったら、死体の中にミツバチが巣を作っていて蜜があった?

ミツバチが巣を作ってそれで蜜を集めてくるまでの間にどのくらいのタイムラグがあるのか、そもそも腐った死体のところにミツバチが巣をつくる?
こういう古文書とか口伝や伝説は、どこかで間違えたんじゃないの?みたいな、伝言ゲームを疑いたくなる変なところがたくさんある。
そこを気にしてたらどうしようもない。

結婚の宴会でサムソンはライオンとミツバチに関する謎を出し、お客は解けない。
謎を出すぐらいだからやっぱり、あまり見たことがない、珍しい出来事ではあったんだろうな。

これがサムソンの「秘密を女にせがまれて話しちゃって破滅の元になる」という最初のテンプレ。

この謎にかけたのは服30着×2(麻の衣30着、着替えの衣30着)。
こういうところが聖書って本当に細かいんだよね。
ユダヤ民族の特徴なのだろうか。





客はなぞが解けないので、結婚したばかりの妻に、答えを聞いて来てくれと頼むわけだけど、ちょっと想像と違った。

客たちは、奥さんを「家族ともども焼き殺すぞ」と脅している。
これはものを頼む態度じゃない。
実家の家族が人質に取られているような状態だった。

サムソンから答えを聞き出した奥さん、バラしてしまったので、サムソンは「主の霊が激しく彼に下り(14:19)」アシュケロンに行って30人をぶち殺し、約束の着物をゲット。

その後もまだ怒ってて、実家に1人で帰ってしまう。

なので、サムソンの妻は「彼に付き添っていた友のものとなった」?
サムソンのお友達と結婚したんだね!
一度ユダヤ人と結婚しちゃったから、ユダヤ人に嫁がせるのが1番良かったのかね。



改めて読むと漠然と こうなんだろうなって想像していたのとぜんぜん違う。

この、直情的でわがままな子供みたいなサムソン、15章になって「小麦の収穫のころ」1匹の仔山羊を携えて妻(?)を訪れる。

「妻の部屋に入りたい」と言ったが、彼女の父は入らせなかった。

だいぶ時間がたって頭も冷えたからなのか、ほったらかしてたのに突然プレゼントを持ってきて、よりを戻そうとするサムソン。

お父さん(義父)「もう結婚してるから無理。妹がいるけど。姉より美人だよ」

ここからはもうめちゃくちゃだ。
ジャッカルを300ぴき捕らえたとか、尻尾を結び合わせてその真ん中にたいまつをつけたとか、全然想像ができない

なんかすごいことだけは伝わってくる。
で、どうなったかというと、ペリシテ人の麦畑ぶどう畑オリーブの木まで全部燃えてしまうという大損害。
300匹だからね。 桁が違う。



ペリシテ人は事情を調べて、「サムソンの義父が、妻を別人に与えたから」というのを聞いて、そのサムソンの義父、元妻など、多分だけど家族全員火を放って焼き殺した。
たぶん、お友達も一緒に焼死?

サムソンこれに激怒、これを行ったペリシテ人たちは「徹底的に打ちのめし」た。

これペリシテ人、悪くなくないか?
全部サムソンが悪いよね。ひどすぎる。

一応、争いのもとを罰して処分したってことでしょ。
それとも単なる暴徒で(暴徒は聖書あるある。そこら中で起きる。すぐ起きる)、「お前らが原因だー!」 というわけで押しかけて、デビルマンのラスト化してしまったのか。



ここでよく勘違いされるところだけど、ここで聖書にはユダヤ人は神の民だからこんなひどいサムソンの所業もぜんぶ許されるのだーとか、そんなことは一切書いてない。

この辺りは特にそう。
何がいいとか何が悪いとかないです。
ただそうなりましたっていう、歴史的な記録っぽい感じ。

だいたいこれ読んでても、ユダヤ人本人たちも「なんだこいつ?」って思わないか。

けどこっちも、戦国時代の武将がとんでもなくひどいことしてても、とりあえず歴史なので手書き残すよね。
でもって、やっぱり強いともてはやす。
そういう感覚っぽい。



 ≫ 【映画】サムソンとデリラ-2 聖書ターン終わり、映画の感想へ

 ≫ 映画の感想記事

 
神から授かった怪力の持ち主であるサムソンは、ペリシテ人の娘セマダールに求婚する。しかし、サムソンに想いを寄せていたセマダールの姉デリラが二人の仲を邪魔し、結婚式で混乱を引き起こし、セマダールは命を落してしまう。さらにデリラは、サムソンへの陵辱を続け...


 ≫ 料亭予定地 このブログのご紹介と記事マップ

書籍の本だな【広告】
ザ・シェークスピアイスルイン物語オタバリの少年探偵たち



 Twitter(≫ @mwagtail30
 ≫ HP「オニグルミの森」
 ≫ note
 ≫ 児童書おすすめブログ
 ≫ なろうのマイページ

にほんブログ村 その他日記ブログへ

にほんブログ村 その他日記ブログ 雑感へ



スポンサーサイト



Ama Mew(天海悠)
Admin: Ama Mew(天海悠)
へっぽこ自家発電物書き。アニメ漫画書籍全般雑食です。クセ強め。
富野信者。イクニ。古典。児童書。
自分のことは盛大に棚に上げてレビューを書いたりします。

HP(料亭跡地)note(書籍レビュー中心)
Twitter @mwagtail30
映画レビュー