料亭予定地

リチャード三世読了

2013/12/21
読書




リチャード三世読了


(2013年 12月 21日の再録です)

そうか、リチャード二世からはじまった史劇が、リチャード三世で幕を閉じるのか。

綺麗に仕上げてきたなあ。



 
(ちくま文庫) W. シェイクスピア (著), 松岡 和子 (翻訳)
「口先で奇麗事を言う今の世の中、どうせ二枚目は無理だとなれば、思い切って悪党になりこの世のあだな楽しみの一切を憎んでやる」。世界を憎悪するリチャードは実の兄を陥れ、殺した敵の妻を口説き、幼な子を惨殺し、利用しつくした臣下はごみのように捨て―。奸計をつくして登りつめた王座に、破滅はあっけなく訪れる。爽快なまでの「悪」を描いた傑作。


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*ここからネタバレを含みます。




コンプレックスに押しつぶされ、憎しみを募らせているリチャード。
顕示欲の裏返し。

アンがいけなかった。
冒頭でアンがなびいたので、リチャードが自信を持ってしまった。

やはり、トラブルの種、罪の林檎は女性から現れるのか。
(女性が罪だというよりも、男性の中の罪の種が、女性の形をとっているという感じ)

口説きがうまくいって、
えっ!?ほんとにいいの!?俺でいいのか?
それでいいのか?
もしかして、自分って…割とイケてる?
少なくとも彼女にとっては、あまり悪くない感じで映ってるらしい!?

と、けっこう有頂天になってるリチャード、何気にかわいい。

男性の口説きでもっとも嫌なのは、「あんたも本当は僕が好きなんだよね?」というアレ。
一瞬で冷める。

リチャードのは
「憎まれてるのは知ってるけど、それでも自分はあなたが好き」
そういう感じで攻めてくる。

あなたの腕に一時間でも抱かれるなら、世界中の男を皆殺しにしてもいい

とか、決して決して「ただしイケメンに限る」とは限らない。

アンも、これだけ美しいと連呼されたらまんざらじゃない。
美しいわたしがこの世から悪魔を一人改心させる天使なのね?とか、むしろこっちが勘違い。
国を転覆されるほど愛されたと思う。
そしてやっぱり、勇猛でかっこいいのだ!

モテない男子はリチャード三世を見習うべき。
口説かなきゃもてない。拒否されるのが怖いとか、弱虫を露呈するだけ。
たとえ醜くても、突き抜けた悪党がどれだけ魅力的なことか。

中間の悪事はすべて省いて、王位は手に入れたものの、追い詰められ必死になったリチャード、アンをあっさり排除(=殺)して、今度は殺害したばかりの二王子の母妃を口説く。
といっても、母妃そのものじゃなくて、その娘。

こういう女、あるある。息子たちを殺されたばかりで悲しみのどん底にいたはずなのに、娘(二王子の姉妹)を王妃に、と言われて、心揺れる母親、あるある。

今更追いついてきた良心に苦しむリチャード、最後の独白は役者さんの見せ所だろうな。

最後の最後に、あのヘンリー六世時代の頼もしい勇猛さを束の間取り戻して、切なくなった。
才能があり、頭もよくて魅力もあるのに、どうしてこんな結末にならなければならないのだろう。

一筋縄ではいかない作品だ。
こんなの、神がかってないとできない作品じゃないか?



 ≫ 菅野文「薔薇王の葬列」の感想

 
シェークスピア (著), 坪内逍遥 (翻訳)
シェークスピア作の全戯曲の全幕全シーン全文が坪内逍遥の名訳で読めて、日本語訳と同じページに該当する英語原文が表示されて、セリフ対セリフの比較対象が容易。対訳本として完備されているので、学習に、研究に観劇にピッタリの一冊全集。今回、シェークスピア没後400周年を記念して、完全新版として上梓。20年間、計6万部のロングセラー。


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Ama Mew(天海悠)
Admin: Ama Mew(天海悠)
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