料亭予定地

「あしながおじさん」レビューの続き 3 キャンプデート

2020/12/15
読書




「あしながおじさん」レビューの続き 3


地味に読みすすめてます。かばんの中に入れっぱなし。
ちょっと戻るけど

P85 お手紙の一節

これは何も私に限ったことではありません。苦しみや悲しみや失望が精神力を養うという説に私は賛成できません。幸福な人というのは他の人への思いやりで心が溢れているような人を指すのです。


みずみずしい、若い主張だなあ。
Twitter で 何度かこの意見を見たことがある。
共感を得そうなせりふだ。

あしながおじさんジーン ウェブスター (著, イラスト), 恩地 三保子 (翻訳)

孤児ジェルーシャに、突然ふってわいたような幸福が訪れた。「あしながおじさん」が大学へ通わせてくれることになったのだ。彼女は、義務の報告の手紙を毎月送った。あしながおじさんとは?





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*ここからネタバレを含みます。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




まだいくつか。

P89 最初のデートで
ジュリアとサリーを呼んできましょうと言いましたが、ペンドルトンさんは、姪たちにはあまりたくさんお茶を飲ませたくない。神経質になって困るからなんておっしゃるんです。


読み飛ばしてた!
お茶で神経質になるから☆
んなわけねーだろ!
どういう口実やねん。お前が今ジュディに飲ませてるお茶は何だ!

P117 最初のマクブライド家訪問時
ジュディ、あしながおじさん宛に、自分の写真を送ってる…!
ジャーヴィス、きっとすごく大事にしてただろうなあ~。
そして、手紙が届くたびに写真出してみて、ああ、直接話がしたい…!とか悶えてたんだろうなあ(妄想)

過程が楽しいので。
過程が大事なので



たぶんジャーヴィスは、ジュディからの手紙を普通に楽しんでいたけど、返事が来ないことに不満を持ってる様子や、孤独に苦しんでいることにだんだん気づき始めた。
特にあの病気になった時のひどい手紙の時には、かなり気の毒に思い始めたに違いない。
絶対に孤児院に帰りたくなかった夏休み、自分が幸福な子供時代を過ごした大切な思い出の土地に行かせてあげる。
その前に、ちょこっとだけ、どんな子なのか顔だけ見たって罰は当たるまいと思ってたのだろう。



やっと前回終わった所にもどってきた。

さて二人のキャンプは、割と本場のアウトドアな感じ。
ハイキング兼バーベキューだ。
テントを張ったのかまでは書いてないけど、「キャンプ」と書かれてるから張ったのではないかなあ。

釣りをして、火をおこして、完全にアーサー・ランサムの世界だわ。
ただ違うのは「若い男女が二人きりでやってる」ということ。
意味が全く違ってくる。

農場の人もいないから、マジで二人っきりだ。どうなのか。
アステアも倫理を指摘するレベル。

ここで実はチューぐらいしちゃっててもおかしくない。むしろしてないとおかしい。
これを我慢するって、鉄の意志やぞ。

しかもだね。
「日の入りを見てから、日をおこして夕食を作って(ジャーヴィスが)、月光をたよりに帰る」
危なくない?

いろんな意味で危なくない?
滑落しないの?
そして夜遅くに二人きりで、森に入っていくと道が真っ暗だったとか…。
警戒心ゼロかよ。

暗い森で、懐中電灯をつけて、笑ったり冗談を言ったりして…いちゃいちゃ全開やん。

それに文化的な読書経験の深いお話もする。

私の読んだ本は全部読んでいらっしゃるし他にもたくさんおよみになっています。


これだこれ。

このお手紙を書いた日は、二人きりでずーっと散歩してて、帰りに、雨に降られるというハプニングつき。
まさに「雨に濡れた二人」を地で行くシチュエーション。
(題名以外、どんな曲だったのかすっかり忘れてしまっていて、検索して思い出した)

ジュディとあしながおじさんに、もう離れられない愛が芽生えたのはぜったいここ!

「この世は幸せに満ちています。」(byお手紙)

もう舞い上がってるね。
思い出しながら手紙書いてるんですよね~はいはい!






まったくジュディが警戒心云々、男女の云々を何も考えていないかというと、ちょっと疑問符がつく。
ジュディ、姪っ子であるはずのジュリアに、このことを報告している形跡がいっさいない。
怪しいわ。
倫理的にどうかと思われるってはいるんじゃないの?

楽しい夏休みはここで終わり、ジュディは奨学金を受けられることになる。
相当に優秀なお子さんだ。
これはジャーヴィスさんが注目したのも無理はないかもしれない。

ここで、手紙ごしにジュディとジャーヴィスの間に、犬も食わなさそうな喧嘩が勃発。

言うと思ったよ。
そこは何か言いそうな気がした。私もちょっと気になった。

ジュディはすでにあしながおじさんという、もう、何がなんでも(たとえ才能がなくても)どんなお金もいくらでも出してやろうという気持ちの出資者がすでにいるわけだ。
(今思うけど、ホワイトナイト、白馬の王子とはよく言ったものだな~)

だから、ジュディが辞退すれば奨学金の枠が一つあいて、他の子がその奨学金を受けられるわけだよね?
その誰かさんのチャンスを奪っちゃうことになるから、いいのかなって思いました。
あしながおじさん側の言い分はものすごくよくわかる。

私が出してる立場だったらやっぱりそう主張すると思う。
(どうしていつも思考回路があしながおじさん側なのか…?)

だけどジュディにとっては、自分が成績優秀なことに対する、ほかの誰でもない自分のための奨学金だ、という意識がある。
それに最初に努力と才能が認められた証拠でもあるんだよね。

あしながおじさんからの自立も示している。
人に頼らず、自分の足で生きていくための自立の一歩だから、これはジュディとしてもどうしても譲れないんだよね。

やっぱり借りを作っている重さを、ジュディは背中に感じてる。

「いつか返さなきゃならない借りがある」という圧迫感は、援助を受けている側としては当然あるわけで、それがなかったらこれはもう相当に無神経な奴。

この痴話喧嘩は、割と大事なものとみて、興味深く読みました。



そういう痴話げんかにうまく混ぜて、ジュディは大学生活の話をいっぱい書いている。

これは作者がそうなんだと思うんだけど、何気ない生活の話が実に楽しい。
いつも何かユーモアを添えて話をしてて、この子と話すと楽しいだろうなってそんな感じがする。

今度はジュリアの家に招待されるのがだ、これはあしながおじさん側も超すんなりOKしてるのが笑える。
マクブライド家はだめでジュリアの方はいいのはどうしてでしょうか~?

この話、ジャーヴィス側として読んでみると本当に楽しい。
どうしてその読み方に今まで気づかなかったのか不思議に思うぐらいだ。

こどもの頃は、ジャーヴィスさんが現れると、誰?って感じでよくわかんないしつまんないから、完全に読み飛ばしていた。
大学生活ばかりに注目していた。
この大学生活が面白く楽しいところが、子供にも愛されている理由だと思う。




「あしながおじさん」レビューの続き 2

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Ama Mew(天海悠)
Admin: Ama Mew(天海悠)
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