薔薇王の葬列 月刊プリンセス(2020年5月号) ネタバレ感想





最近、少しだけFC2に慣れてきた。
エキサイトに比べるとなんて使いにくいんだなんて思っていたけど、やはり慣れというのは恐ろしい。


薔薇王の感想まとめリンク
>>菅野文「薔薇王の葬列」の感想まとめ(自分用)

ネタバレのため広告をはさみます。


表紙が邪悪な双子だったのだが、こんな美麗な絵の邪悪な子供ってなかなかないな!としばらく感心してしまった。

そもそも、夏目漱石が倫敦塔でこの二人の子供の話を書いたのを読んだときはまだ、シェイクスピアのリチャード三世だと知らなかったんだよなあ。

と思いながらページをめくって、この悪魔的に憎たらしい双子のシーンを読んで、何気に感動してしまった。
もともと造詣が深くてすごく読書家だなと思っていたけど、ここに夏目漱石の「倫敦塔」を持ってくるのかー!

>>青空文庫の夏目漱石の「倫敦塔」
えあ草子で縦書き表示したもの

この寝台の端に二人の小児が見えて来た。一人は十三四、一人は十歳くらいと思われる。幼なき方は床に腰をかけて、寝台の柱に半なかば身を倚もたせ、力なき両足をぶらりと下げている。右の肱を、傾けたる顔と共に前に出して年嵩としかさなる人の肩に懸ける。年上なるは幼なき人の膝の上に金にて飾れる大きな書物を開ひろげて、そのあけてある頁ページの上に右の手を置く。象牙を揉んで柔らかにしたるごとく美しい手である。二人ともからすの翼をあざむくほどの黒き上衣うわぎを着ているが色が極めて白いので一段と目立つ。髪の色、眼の色、さては眉根鼻付きから衣装の末に至るまで両人ふたり共ほとんど同じように見えるのは兄弟だからであろう。
 兄が優しく清らかな声で膝の上なる書物を読む。
(略)
百里をつつむ黒霧の奥にぼんやりと冬の日が写る。屠れる犬の生血にて染め抜いたようである。兄は「今日きょうもまたこうして暮れるのか」と弟をかえりみる。弟はただ「寒い」と答える。「命さえ助けてくるるなら伯父様に王の位を進ぜるものを」と兄が独り言のようにつぶやく。弟は「母様に逢いたい」とのみ云う。この時向うに掛っているタペストリに織り出してある女神の裸体像が風もないのに二三度ふわりふわりと動く。
 忽然こつぜん舞台が廻る。

    ───夏目漱石「倫敦塔」より



二王子のイメージといえばこれだ。
あとは絵画。

夏目漱石はこっちのドラローシュ(ドラロッシ)の方を思い浮かべてる。
ドラロッシ

個人的にはミレイの二人の方がイメージに近い。
ミレイ

(どちらもWikipediaから拝借しました)

まさにまさに、「倫敦塔」ののままなのだが、それをここまで小憎たらしく首を締めたくなるようなクソガキにするとはね!!

素晴らしい…。
(素晴らしいんかーい!)

というのも、これらの先入観を入れておいて、いちばん最後に読んだのがリチャード三世なのだが、シェイクスピアの双子はそうとうに邪悪なのだ!!

おじさん(リチャード)との会話が、じつにひどい。
皮肉とあてこすりの満載だ。
何だコイツ?本当に幼児なの?と思うし、おじさん(リチャード)がムカつくと同時に危機感を持つのもよくわかる。

それが殺した時は兵士が
おそろしいことをしてしまったあああ、あんなにいたいけな子供たちを…ガクガクブルブル
みたいな感じで、エッ?とちょっと思った。

なので今回の二王子の憎たらしさにちょびっと違和感は感じつつも、いやいやこれはせかいいちうつくしくうるわしいリチャードのためなのだし、なんて思っていた。



何か、思いもよらずクソガキ双子にたくさんの感想を書いてしまったが…。
リッチモンドが読めないな~。
たぶん、アンの後ろに控えている従者っぽい女性が母親なんだろうけど。

エリザベスちゃん解放フラグが立ったので、またエリザベスが復帰してリッチモンドにからんでくるんだろうけど…。
リチャードに負けず劣らずな、そうとうの闇を抱えてる(ように見える)今はトリックスター的なリッチモンド、エリザベスとなんとかなって欲しいけどなあ…。



こんな時にも空気の読めないヘンリーティレル、余裕のないバッキンガムに向けてかざす刃に、「ふたりのヘンリー」が重なるところがすごくいい!!

ついに愛を知ることのない、マッドな白ヘンリーと、わるいこといっぱいしてきたけど愛を知ってしまった黒ヘンリー(バッキンガム)

昔の白ヘンリーの罪なやさしさが束の間よみがえるも、バッキンガム君は根っからのドエスな俺様攻めなので生理的に受け付けないようである。

リチャードが小エドを可愛がるのは、血筋なんてまったく関係ないような気もするが、ここでバッキンガムが小エドをこの恋敵のライバル君の孫であり血筋につながるものであると気が付いてしまったところはやばいね。

詰んだねバッキンガム



恋に乱れて悶々とするリチャードが見られてたいへん喜ばしいのだが
(何よりも本当にバッキンガムを好きになってるのがよくわかってそこは嬉しかった)
…の…
だが…。

あまりにも詰みつつあるギリギリ感がやばいので、純粋にそこを楽しめない!

ひとりで着々と核心に近づいているアン。
真実は いつも ひとつ!

久しぶりに出たケイツビーが、バッキンガムの名前を聞いても無の表情なのがなんだか冴えなかった。
それよりその「バッキンガム」の一言にピキーンとくるアンの方がこわい。
真実は…(もういい)

結局は「王冠」によって自由を掴んでも、その先にあるもの
本当に欲しかったもの
あの時は気付かなかったもの
に気付いてしまってから、揺れる乙女ごころ!

そしてすべてを盤石にするために、排除することを選んでしまったら...。
やっぱり片付けちまうのが一番の解決法ですよ旦那
な感じの白ヘンリーがホラーだった。

さいきん、いつも白ヘンリーのホラーで〆られているので怖くてしかたがない!
また机から落ちそうだ。

そして、

1.白ヘンリーが教えてほしい「愛」ってのは一体何なんだ!?
2.バッキンガムが殺したいのは小エドか双子か?

バッキンガムもああいう性格だから、殺させておいて知りませんでしたーってやりそうな気もするのだが。
どういうわけか血も争いも見るのも嫌いなヘンリー六世様が、間違って超人的な力を手に入れてしまったので、おいそれと片付けることが出来なさそうだ。

今回はハァイジョージイのITじゃなくて、ジョーカーだった。


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「薔薇王の葬列」(Ebook電子版)
作者:菅野文 / 出版社:秋田書店 / レーベル:月刊プリンセス



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