• そもそも、創作を披露しようと思ってブログを作ったはずだったのに~!カテゴリだって創作なのに。中身といえば、麒麟がくる・麒麟がくる・薔薇王・麒麟がくる・キルラキル…。ダメダメな感じになってしまっている。これまでちらちら上げたのも全部中途半端で止まってるし…。タイミングを逃してしまいそうなので、noteでまた新しいのを書き始めたタイミングで、今度こそこちらでもUPしてみる。アイウカオさんに感謝をこめてのお話... 続きを読む
  • 今年一年、Twitterを稼働、noteやFC2を作ってみて、とてもよい年でした。フォローしてくださったみなさん、よいかたばかりで、素晴らしい出会いがあると感じた一年だった。アカウントをそっと閉じられるかたもいらっしゃるが、その方がたの健康と幸福と、いつかどこかでの再会をこちらもそっと祈りたい。アフィリエイトは全くもうかりゃしないが、これはこれで作ってみてよかった。なぜなら、「自分がよいと思う作品を宣伝する場」... 続きを読む
  • クリスマスから忙しくなり、年の瀬にかけてピークになる。うちはいつもだんなの実家に3日も4日も居座るのでその準備にも追われる。前にデータが消えたとき大騒ぎをして、もう恥ずかしくて言いたくなかったのだけど、またデータトラブルにあっていた。あれから、三つも四つのバックアップを取ることにしていたのに…。ここのところ油断していた。Onenoteではあっちこっちの端末にそれぞれ履歴が残るので油断していたというのもある... 続きを読む
  •  東京が懐かしい。東京に帰りたい。ごみごみした匂い、排気ガス、唐突に現れるぎらぎらしたアニメの看板、薄黒いアスファルト、どぶ川にかかる橋に一目もくれない足早に歩く人々の群れに紛れたい。その先に待っているひとに、会いたいよ。 違うの。わたしが聞きたい声は違うの。──どうしたの、大丈夫? 優しい声、抱きしめて頬ずりしてくれる柔らかな胸だ。 ここに今いてくれれば。メールしたい。話したい、声が聴きたい。わた... 続きを読む
  •  部屋に入って速攻で頭痛薬を口に放り込み、ベッドに倒れこんで息を大きく吐いた。本当は、下着まで何もかもすべて脱ぎ捨てたい。苦しくて、かすかに胸を掻きむしったが、指は服の上をただ力なく滑るばかりだった。 もうだめ気持ち悪い吐きそう。何もかもくるくる変わりすぎ。 あきらめないで! また携帯の向こうから、声が響いてくる。今度は伯母だ。ちかちか、とんとん、聞こえてる?返事して。聞いてるの、と語り掛けてくる... 続きを読む
  •  スマホの通知音が小さく鳴って、画面を一瞬だけ開いたがすぐまた閉じた。通知ランプだけが目の奥に残っている。 兄が聞いて来た。「連絡、おばさんから?」「友達です」 短く答えて手を組んだ。  小さな機械の固さを腕の下に感じる。返事を待っているのはわかっていた。でも開いたら既読がついてしまう。表示を消そうとして電源ボタンを押す前に、通知バーの文字が目に飛び込んできた。(ねえ今どこ?めっちゃ寂しい) 返事... 続きを読む
  •  部屋を一つもらえるのは有難い。本当にばれていないのだろうか?金髪の少年は明るくてしきりと話しかけてくるから、曖昧に受け答えしながら、こちらの方から質問を投げ掛けた。「みんな車の運転、けっこう普通ですね」 どんなイメージ持ってたの?と二人ともに笑われた。「普段はもっと混んでるんだが、今日はすいてる」 そんな話をする横を真っ赤なシトロエンが、猛スピードでごぼう抜きしていく。 高速道路を抜けるあたりで... 続きを読む
  •  これでも女なんですって、言おうと思ってたのに言いそびれちゃった。どうしよう。 この日本人の兄の、もの柔らかで優しい声が思ったよりも深くて気持ちのいい響きなので、動悸(どうき)がおさまらない。 叔母に不満顔で口をとがらせ、何度も言った。「ぜったい、すぐバレるって」「バレる前に学業だけは修めておきなさい。今はネット環境も充実してるでしょ」 叔母はすましたものだ。女は嘘をつくのが本性でそこは皆、変わら... 続きを読む
  •  廊下を歩きながらおずおずと首を伸ばすと、出入り口に白いカードを抱えた人が数名、並んでいるのが見えた。彼女の名前を抱えているたのは、巻き毛の白人と東洋人の二人が立っている。目ざとくこちらを見つけて巻き毛の方が大きく手を振った。 東洋人の方に彼女は目を据(す)えた。食い入るように凝視した視線を、相手は普通に受け止めた。唇の端が動いて笑顔が見え、かすかに片手を挙げた。 あれがお兄さん? 思うと同時に、... 続きを読む
  • 「鑑定も出来ますが、望みますか。キットを送りますよ」 国際電話の受話器の先にいる相手は一瞬、黙った。弟とやらとはパソコン越しに文字のやりとりをしたが、電話で直接、話を持ってきたのはこの伯母と名乗る女の方だった。『正直なことを言うとね。妹のことは私もよくわかんないの。私も深入りしたくないから、あまり詳しく聞かなかったし』 居心地の悪い沈黙が過ぎた後に、子供のおばとやらは、機関銃のようにまくしたてはじ... 続きを読む
  •  もう少し飲もうと引き止める友人たちを振り払って彼は一足先に家に帰った。封筒と葉書が届いていた。 日本からだ。しっかりした緩衝材入りのA4封筒の暑さ、宛名を詳細に見るより先に内容を察して破ろうとする動きを止めた。 新しい弟の調査書だろう。 デジタルデータでいいと言うのに、社内ルールだとか個人情報だからって、こんな分厚い資料を海外に送る方が無用心だと思わないのか。彼はバッグと新聞と葉書を脇に挟んだま... 続きを読む
  •  わかっている。これから直面する一幕が怖いのだ。迎えに来ているはずの人たち、兄であるかもしれないし、ないかもしれない者がそこにいる。 待たせちゃったかな。待ってないかも。いらいらさせてたらどうしよう。『そのまままっすぐ来れば分かるはずです。難しい空港ではありません。人の流れに添ってそのまま歩いて来て下さい』 短いけれど丁寧な文面が、気さくな調子であるよりもありがたいと思っていた。 迎えの車や飛行機... 続きを読む
  •  まどろみから醒めて窓を開け、少女は声を上げた。窓の下から、一面の緑が目を刺すほど鮮やかに立ち昇って来る。 所々に撒(ま)き散らされた家が、垣根まではっきり見えるほど、飛行機はみるみる地面に近付いている。 少女はふと手を伸ばしら指で窓を撫(な)でた。ガラスの外側に付着した水滴が凍り、駒かい氷の結晶になっていた。窓の向こうはるかかなたの空から真っ直ぐ地上へ降りる飛行機雲が縦に走る。揺れる翼が斜めを向... 続きを読む
  • 「こたつに入りてえなあ」「アマゾンで買えば。うちは、置いてるよ」 そこからはブーツの彼女を囲んで、話にも花が咲いた。 ああ、もう楽しくない、と彼は思った。 最近、何も楽しくない。自立してますって顔が、ファッションもセンスもばっちりです、街角情報くまなくチェックしてますポーズが。指先の動き一つにこだわった仕草が。 視界は煙り、議論好き、話し好きの国民性とあって、どこの席からも話し声が絶え間なく轟いて... 続きを読む
  •  容姿がずば抜けてよくなくても、女たちの『可能性』に入れてもらえるか、もらえないか、の境界線があった。人それぞれと一概に切って捨てられない不思議な線で、髪型、服装、こだわりやクセや、細かなチェックシートにかけられ、空気、という言葉で採点され、取捨選択されていく。「オヤジとは違う。ちゃんと誠実にしてる」「結婚する気ないのに?こっちの価値観に染まりかけてない?」「付き合いの延長に、すぐ結婚て言葉が出て... 続きを読む
  • 「弟がまた増えるらしいんだ」 考え深げに友人に言った。 オデオン座近く、表には黒板に無造作に白字を入れただけの看板があるカジュアルなカフェで、集まった数名は皆、日本人の在留者仲間だった。各々、仕事をはじめとしたそれぞれの理由により滞在を続けている。 今日はここ一ヵ月ではありえないほど、ここまでというほどの人で賑わっていた。だが観光客の姿はまばらで、道行く人々の表情は険しくて固く、通り過ぎる銃を構え... 続きを読む
  •  フライトは十二時間、長さがしみた。一万キロメートルの距離を分かっていなかったのは級友たちではなくて少女だった。平均より背の高い彼女は脚を折るしかない。思うように体が伸ばせないままで耐えるエコノミーの席はつらかった。メッセージの向こうの兄が何度も聞いていた。遠いから長旅になるよ、きついよ、一人で大丈夫かと。 迎えに来てくれるはずの兄の名前を口の中で何度かつぶやいてみる。なるべく低い声で、できればは... 続きを読む
  •  母と暮らした部屋を引き上げ、選りすぐったもとから少ない家財はトランクルームに全て預けた。机と本の山をさすって、少しだけ待っていてとつぶやく。扉を閉じれば、母との生活、少女時代のすべてが影に沈んだ。 空港まで友人が一人だけ付き添ってくれた。一番仲良しの彼女は、駅で少女の姿を見て息を止め、それから笑い出して叫んだ。「わぁ、髪みじか!」 それから手に顔を埋めた。「どう、あたしイケメンかな?」 答えがな... 続きを読む
  •  午後の教室で担任は、沈痛な顔をしていた。死にに行くような顔だ、と少女は思う。「何とか日本で面倒見てもらうことは出来ないのか」(どこにいたって危険なんて同じじゃないの?この世界のどこに安全なんてあるんですか) 少女はただ眺めている。何を言っても意図も意見も決して届かないとわかっている。机の向こう側もそう感じているようだった。どうしてわかってもらえないのか、と。「進路は受験じゃなかったのか、三年生は... 続きを読む
  • 「どうして?」 足元にたまっていく髪の房が、ここまでというほどの量で、生き物のように動きながら肩からすべり落ちていく。「ここまで切らないと駄目かな?」「お世話になるのに、男兄弟ばかりの所にあなたみたいな女子高生、しかも海外なんてとても無理よ。このくらいはやらなくちゃ」 横目で窓ガラスを見上げれば、淀んで暗い二月の空だった。 病気で母を亡くして、もう三ヶ月が過ぎようとしている。天涯孤独という言葉がし... 続きを読む

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